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Dr.Lukeの一言映画評

このところポツポツと鑑賞はしていたが、今回の作品はなかなか深みのある良い作品。かつての『エデンの東』的なテーマ、つまりエディプス葛藤を描いている。ハリウッドもまだこういった作品を作ってくれており嬉しく感じた次第。『裁かれる判事』。

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“金で動くやり手弁護士”として名を馳せる、ハンク・パーマー。一流法科大学を首席で卒業したが、並外れた才能は金持ちを強引に無罪にすることだけに使ってきた。そんな彼にとって弁護士史上最高難度の事件が舞い込む。人々から絶大な信頼を寄せられる判事ジョセフ・パーマーが、殺人事件の容疑者として逮捕されたのだ。しかも彼は、ハンクがこの世で最も苦手とする絶縁状態の父親。法廷で42年間も正義を貫いた父が殺人など犯すはずがない……最初はそう確信していたハンクだが、調べれば調べるほど、次々と疑わしき証拠が浮上する。殺された被害者と父との歪んだ関係、亡き母だけが知っていた父の秘密、防犯カメラがとらえた不可解な映像。裁判は劣勢に傾いていくのに、犬猿の仲の2人は弁護の方針を巡って激しく対立する。

カネで判決を買うやり手弁護士が父との葛藤を通して、真実の親子、そして家族の愛情に目覚めていく。彼が何ゆえにカネこそすべてになったのか、その深い背景も明らかにされる。頑なに息子を否定する父の心の深みにあったものは?何ゆえに彼は犯罪に殺人に走ったのか・・・。息子はその真実を知る。最後の湖面の親子の静かなシーンがグッとくる。お薦めの作品。

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