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Dr.Lukeの一言映画評

ファイル 717-1.jpg昨日観た映画、ブラッド・ピットとケイト・ブランシェットの『ベンジャミン・バトン』。

1918年、ニューオーリンズ。生まれながらに80歳の姿で生まれたベンジャミンは、父親に老人ホームの前に置き去りにされた。しかしそこで働くクイニーに育てられ、少しずつその肉体は若返っていく。そして1930年の感謝祭、彼はその後の人生を変える女性、6歳のデイジーと出会う。2人はすぐに心を通わせ、ベンジャミンの身体の秘密もデイジーは受け入れた。その後ベンジャミンは船員として働き始め、海へと出るが・・・。

二人は愛し合うのだが、男は若返っていく、女は歳を取っていく。この不条理な運命に対して男の取った行動は・・・。と言うストーリーであるが、その誕生から自分の意志によらない運命の定めの中で生きる男と、たまたま出会った女が恋に落ち、その女も偶然の積み重ねによる事故でダンサーとしての生命である足の自由を失う不条理。人生はかくも運命と偶然によって支配され、それに翻弄されなくてはならないのか!?これがニンゲンの叫びである。

確定論と偶然論の絡み合いの中に私たちは生きている。何だかカルバヴァンとアルミニウスの議論にはまりそうだが、われわれ自然科学系の者からみると、要するにそれは決定不可能な問題、複雑系の一種カオスなのだ。その問題を口角泡を飛ばしてケンカするのが神学者。彼らは実にオツムがよろしい。が、私たちの信仰はそこにすべてを治めている神の意志が摂理によって働いており、神の御旨が成就することを信じている。人生の主権者が神であることを知らないで観ると、やや絶望感を覚えてしまう作品かも知れない。かなり哲学的と言えるかも。

Comment

zion

先ほどTVにて、、いい映画でした。人生の主権者にして主催者。

  • 2012/01/06 23:35
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