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ガラパゴス化するニッポン

週刊エコノミスト』の特集記事が「没落する日本」。その中に「"ガラパゴス化"現象で競争力を失う日本経済システム」と言う記事があった。要するにダーウィンの進化論の着想を与えた、全地球的進化から取り残されたガラパゴス島のように、日本も経済的に同じ状態に陥っていると言うわけ。私的に言えば「カプセル化現象」。

例えば、おじさんにとって脅威となるケータイ。やたらと機能やサービスが付属するものの、電話とメール(最近ようやく慣れてきた^^)以外はほとんど使いこなしていない。こうして日本の内向けのサービスを競っているうちに、世界的な流れ、つまり規格化からは切り離されて、取り残されてしまった。下に出た自衛隊の弛みも、外向きの実効的な働きが何もできない組織の典型であって、意識が内向きになって、やはりカプセル化することによる。すると士気が落ちて、綱紀が緩む。インサイダー取引のNHKや危険離陸のJALなども同じ症状だ。教育現場でも無意味な書類作成に追われて、生徒を相手にする時間と気力が削がれているとのこと。

かくして今のニッポンはあらゆる点で内向きのベクトルが働いており、政治家の議論も実につまらんものと堕している。アメリカからは、小泉さんの後ジャパンの進路が見えなくなったと不満が出ているようだが、福田さんなどはまさにカプセル化あるいはガラパゴス化の典型であろう。

カプセル社会の末路は自己崩壊である。『文藝春秋三月号』でも「自壊するNHK帝国」なる記事があり、また日本がミッドウェー海戦などで負けた原因を分析した「昭和十一年体制の呪縛」も興味深かった。要するに昭和十一年に日本は内向きになって、官僚統治が極致に達し、民間の自由が奪われ、レーダーや情報機器の発達が遅れ、それが敗戦の原因となったと分析する。当時のヒトラーのドイツよりも不自由な時代だったとする。建築認可なども1㍍に達する書類を書かなくてはならなかったそうだ。

まさに今のニッポンも同じ症状。カプセル化によって内向し、官僚主導の儀式ばかりが目立っているわけだ。赤字垂れ流しの箱物行政もその兆候。例えば、国土省が発注したある報告書は1億円で落札され、その内容たるやそもそも日本語になっていないそうだ。要するに中国語資料を翻訳ソフトを通しただけ。さらにWikipediaの記事をそのまま載せているとか。一体こんな報告書が何の役に立つのか、と路上キスをフォーカスされた何とか言う民主党のイケメン議員が国会で追及していた。

引きこもりが100万人と推計されているが、現代ニッポン自体が引きこもり症状を呈しているのだ。「2ちゃんねる」のようなものが蔓延り、無意味な莫大な時間と資源を浪費し、また「学校裏サイト」や「闇の職安」みたいものが犯罪を生み出し・・・と、自分自身の内部に抱えたブラックホールに自分が飲み込まれつつあるのが今のニッポンである。

そのカプセル社会の中のカプセル社会がニッポンキリスト教であるが、今後、いやすでに、やかましい「リバイバル音頭」の笛太鼓鳴らされる中で燃え尽き、士気は低迷し、間違いなく自己崩壊していくことであろう。すでにネット上ではその兆候が現れている。時代は組織や先生に頼るフェーズではなく、個個人が主の前に単独者として立って、このギョウカイに起きる諸々の現象や風、さらにはフェイクに惑わされることなく、また無意味な思弁的神学論争などにかまけることなく、純粋な御言葉と内なる塗り油に深く留まるべき時代に入ってたことを強く意識すべきであろうと感じている。

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