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半沢直樹現象

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この番組、実は、あること自体知らなかった。なんとなく活字では目にしていた、「倍返しだぁ!」との気合がすごいと。で、昨日、最終回だけ観てみた。なんか、ストーリー的には『ハゲタカ』っぽい。最後に父親を自殺へと追いやった人物を土下座させる。この辺に社会で虐げられてると感じている大衆がカタルシスを覚えるのだろう。しかしこれは要するに『水戸黄門』の現代ヴァージョンだ。最後も悪をなした取締役は降格処分、半沢は出向で飛ばされるというわけで、シーズン2への布石が見え見え。

私は講義でヒーローや人気政治家・宗教の教祖ができるメカニズムを語っている。第一に、フラストレーションを溜め込んでいる大衆の存在。そのフラストレーションを投影し、同一視し得る存在の登場と活躍。つまり同一の境遇や等身大的要素が必要。あるいは一挙に雲の上的な雰囲気。とにかくその存在に自分のフラストレーションを投影したり、託したりして一体化することがポイント。具体的には、例えば、『白い巨塔』の財前五郎か里見修二のどちらと同一視するか?あるいは『三国志』の曹操と劉備では?私はSalt氏との対談でも語ったが、財前と曹操なのだ。こうしてロールプレイングが進行する中で、自分があたかもその役を演じているかのように情動体験をする。これがカタルシスをもたらすのだ。つまりフラストレーションの代償満足。

聖書の御言葉なども受け取り方がまったく違うことがある。たとえば、「持っている者はさらに豊かにされ、持たない者は持っているものまでも取り上げられる」。これに対して神は何という冷酷な!と憤る人と、ハレルヤ、感謝します、と喜ぶ人が見事に分離される。お分かりであろうか、その理由が。私はと言えば、実にうれしくなるのだ。たぶん憤る者たちはこの辺りを用いて、聖書原理主義はカルトだとか訴えたくなるのであろう。かくして彼らはますます貧しくなるのだ。自分が信じたとおりに・・・。これが信仰のメカニズム。聖書の御言葉を味わって、ますます健やかに、豊かになる者と、理屈をこねくり回して御言葉を毀損する者たちの分離のポイント。

私は最終回を観ただけだが、半沢との共鳴はあまり感じなかった。かといって土下座した敵役でもなく、そう、北王子欣也が一番ハマルかなと思った次第。

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