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99年の予言を再び

自民党大勝、民主党は壊滅。まあ、こんな結果は見えていた。問題はこのフレ幅の異常な点。わが国は内的自我と外的自我に分裂していると指摘したのは岸田秀氏。政治的・軍事的・経済的・倫理的去勢を受けていると言っているはこの私Dr.Luke。要するにこの国は病んでいるのだ。かつて99年当時に書いた記事を読み返して、私の診立ては正しいことを改めて確認した。分裂病の陽性症状のように、左から右、右から左、また左から右へと振幅を大きくしていく中で、徐々に、そして確実に疲弊し、アパシーに陥る。最終的には陰性症状へと落ち、自閉、感情の平板化、無気力の状態に陥る。事実、今回の選挙では投票率が史上最低(特に若者層で)。これがすでに分裂病の末期症状の兆候だ。

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なぜ私の予言が正確なのか。それは私がこの30年にわたって20歳前後の若者を定点観測しているからだ。私は霊能者でもなければ、預言者でもない。単なる普通のおじさん、しかしダンディーではある(^^)v。彼らを見るとき、この国はすでに分裂病末期にあることが判るのだ。高未婚率・高失業率・低出産率・低収入をはじめ、2Dに引き籠る草食男子・ヲタクの出現、AKB現象、若者が車を買わない、コンパや合コンをしない、カネに淡泊(最初から諦めている)、等々・・・。彼らの生命力の枯渇が見えるのだ*1

しかし、もしこの国が安倍氏に象徴されるように再起するとすれば、軍事的に自衛軍を持ち、核武装した時だろう。この時は抑圧されていた内的自我が一挙に膨張・肥大化し、ちょうど二極性感情障害の患者が躁状態にある時のような一種の全能感と誇大感に浸りつつ、自我の増長を見せる。そしてこれはニッポンにきわめてヤバイ事態をもたらすだろう。そこで潰されたらマジでオワル。

実は、私の内にも『群青』を聴くときにこみあげるものがあると書いたが、日本的なるものへの憧憬と言うか、あの自己犠牲的行動に惹かれる何かがあるのだ。私が三島由紀夫を好きなことはすでに何度も買いている。同年代の安倍氏が先の政権の時には靖国に参拝できず残念だったとし、前よりも右傾化していると言われているが、彼の内的高揚感がよく分かるのだ。戦争は知らないが、子供のころは東京にいたのだが、まだ戦後のあの雰囲気はよく覚えている。かくしてこの何かを核にして、この国が内的に結合を強める時、再びあの時代と同様の動きをすることは十分にあり得る。

*1:経済は物欲によってドライブされる。物欲を失った社会はニッポンキリスト教のように衰退する。

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