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Dr.Lukeの一言映画評

このところいい作品が続くので消化するのがけっこう大変。と、言いながらも、せっせと1日おきに観ております。

ファイル 704-1.jpg本日の作品はリチャード・イェーツの61年の小説の映画化で、『レボリューショナリー・ロード-燃え尽きるまで-』。あの『タイタニック』で競演したレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットの共演。人生に対して大いなる野心をいだく若き二人が出会って結婚。郊外に洒落た家を構え、二人の子供たちにも恵まれ、会社でもそこそこ。表面的には50年代の古き良きアメリカの理想的家庭。しかし夫は毎日の退屈な仕事に飽き足らず、女優の夢を捨てた妻もそんな夫を見て、満たされない毎日を送っている。

そんなある日、妻はパリに移住する計画を思いつく。夫はそれを幻想とするも、徐々に妻の計画にはまる。が、何気に企画した彼の計画が認められ、会社で大抜擢される。パリ行きに対して揺れ出す彼の心。夫婦の間で微妙なズレが生じ、それが徐々に昂じていく。互いに相手に隠れて浮気をしたり、その真実を語るや深く傷つけ合うバトルを演じる。そして訪れる最後の悲劇的な瞬間・・・。
続き
普通の生活を軽んじ、野心や夢に生きようとする若き夫婦の悲劇的運命を一回り成長したディカプリオとウィンスレットが好演している。ディカプリオは見事にアイドル路線から脱皮しているし、ウィンスレットも大人の女性になった。夫婦と言う実に微妙にして、奥深き人間関係の光と闇を抉り出した作品である。映画的楽しみ方よりは、文学のそれに浸れる。

一般的に言って、トラブル夫婦の場合、互いに相手に対する勝手な思い込みと要求にすれ違いが起きている。最初はごく僅かなソレが、年月を重ねるほどに修復できないほどに大きくなる。この映画でもそうだが、互いに本音を語り合うほどに、相手に対して真実なろうとするほどに、かえって互いに傷つけ合う。言葉と言うものの限界である。言葉を超えたところにある相手の心を汲み取り、それにどう応えるかが鍵なのだが、不幸なことにニッポン男児にはそう言った感受性はない。元々男女ではハード的に脳の違いがあるし、ソフト的にも刺激反応システムがまったく異なる。かくして「男と女の間には深くて暗い川がある」わけ。

加えて、クリスチャンの夫婦でも幸いなカップルはあまり多くはないことは、けっこう沢山の症例から明らかである。それもいわゆる信仰に熱心であればあるほど、家庭は悲惨かつ不毛だ(牧師や役員の家庭などは特に・・・)。人生の、そして社会の基礎は家庭であり、人生における楽しみや充実感を与えてくれるのも家庭である。現代ニッポンとニッポンキリスト教の悲惨さはこの家庭の貧困と密接に絡んでいる。祝された家庭を得ている者は幸いである。人生の幸福とはまさに青い鳥であり、青い鳥はどこにいるのか、と問うべきであろう。

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