本日の一冊
- 2008/11/26 21:23
- Category: 書籍
- Tag: 五木寛之
続けて五木寛之の『レッスン』。紹介文を転載しておこう:
クルマ、ゴルフ、ファッション、レストラン、セックス、マナー…そして人生と死について――あのひとはぼくの最高の教師だった。愛の名作、待望の改訂新版。
本作品は92年に光文社から出たようだが、今回幻冬社から再刊。映画化されている。男と女のあり方を描く小説家は谷崎潤一郎から渡辺淳一まで、実に幅広いのだが、五木寛之の作品は男と女を描きつつも、ある種の無機質な印象がある。渡辺淳一などはしつこくてやや辟易なのだが、五木の作品は男女のあり方・関わり方をサラッと描きつつ、人生の不条理や葛藤を描くように見える。男女を描きつつも、その筆の客観的かつ冷徹なタッチが、どうもDr.Lukeの嗜好とマッチするようだ。
そもそも私たちは人と人の出会いのネットワークの中で生きている、否、生かされているわけで、それは予測できず、また僅かな初期値の違いが大いなる結末の差を生むと言う意味である種の「カオス」であり、「複雑系」と言える。もしそこに神の摂理を信じていなければ、とてもではないが、自分の人生をそのネットワークに委ねることなどは怖くてできない。人と人の邂逅-げに絶妙にして不可思議なもの。
ちなみにこの年齢になると、人間関係に飲み込まれることはほとんどないかも知れない。どこか醒めているメタの自分がロールプレイングをしている当事者の自分を見ているのだ。だから格好つけることもなく、無様を晒すこともできるのかもしれない。
リチャード
人間関係の壁に当たっては飲み込まれ、、、の繰り返しです。
早くLukeさんみたいに落ち着きたいなあ。