Dr.Lukeの一言映画評と本日の一冊
- 2009/05/02 21:01
- Category: 書籍
最近魅力が増してきたクライブ・オーウェンとジュリア・ロバーツの『デュプリシティ』。企業スパイの実態を描いた社会派作品。二つの競合する会社がそれぞれ元CIAとMI6の諜報部員をスパイとして雇う。この二人実は恋愛関係にあり、スパイ同士で互いを欺き合うも、いつしか共に会社に対抗すべく協調路線を取る。が、そこは企業のしたたかさ。驚きのラストを迎える。まあ、実際のところ、タミフルにしても、この化学式ひとつが何億円もの利益を生むわけで、今やオープンになっているわけだが、開発当初は機密中の機密。情報は金なのだ。
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本日の一冊。これは面白い。ジル・ボルト・テイラーの『奇跡の脳』。彼女は神経解剖学と神経生理学の専門家。その彼女が、ある日、脳卒中で左脳を損傷する。その中で見えてきたこと、体験したことを、サイエンティストとして自身を冷静に観察し、それを報告したもの。興味深いことは、彼女は左脳をやられてしまい言語や論理的思考、さらに合理的思考を失う。この間右脳のみで生きるのだが、それは実は恍惚感を生む。大いなる平安と安息。それはあたかも神の恵みの中に生きているかのような体験。時間は「今、ここ」の意識のみ、他者に対しても警戒心などが取れ、感情的共感と愛を豊かに感じ、実に素晴らしい経験をしているのだ。
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