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Dr.Lukeの一言映画評

ファイル 710-1.jpgチェ・39歳別れの手紙』。1959年キューバ革命成功の後、カストロと共に国家の指導者としてキューバを率いるも、1966年11月、突然家族を残し、カストロに別れの手紙を書いて、変装してボリビアに入る。それから1年弱。1967年10月8日、政府軍に捕縛。現地の民衆が彼を売った形だ。そして「パピ600」指令によって処刑。その過程を淡々と彼のボリビア日記に沿って描く。派手さはまったくない。が、そこにいる感覚を覚え、処刑の場面はゲバラの目に映ったであろう映像と音声。自分が撃たれたような錯覚を覚える。

しかしだ、うーん、前半が輝きに満ちているのに対して、今回のは何か虚しい。結局民衆が支持しない革命は成功しないのだ。解放してやるはずの民衆に売られるゲバラ。何ゆえ彼はあえてコンゴやボリビアにゲリラとして関わったのだろうか?バートランド・ラッセルらに支援要請の手紙を書くほどの知性の持ち主にして、医師。彼を動かしたものは何なのか?ある意味理想的なアイドル。現在でも彼を偶像化する動きが世界各地で活発だとか。
続き
ファイル 710-2.jpg映画の中において、政府軍の兵士から「共産主義者も神を信じるのか?」と尋ねられて、ゲバラは「体制としては神は認めないが、個人的には信じている」と。すると兵士の「あなたは神を信じるのか?」との質問に、「私は人間を信じる」と。虐げられ搾取された人々と自らを同一視しているのだろうか?彼らに対して、自分の何かを投影しているのだろうか?言えることは、人間とは「何か」を信じたい存在なのだ。否、信じなくては生きることができない。私的には彼の精神の遍歴に関心が深まった作品であった。

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その後夕方までSpa Libur Yokohamaにて温泉。乾いたジャングルで生き延びようとするゲバラを観ていて、何故か無性に温泉に浸かりたくなったのだ・・・。

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人の弱さと神の力について、愛知県のさっちゃんが本質的な記事を書いておられます。ご一読をお薦めします。

あなたがたは力を受けます(→http://plaza.rakuten.co.jp/hidamariroom/diary/200901310000/

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