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CLIP:殺人汚染水20万トン 政府、東電打つ手なし (ゲンダイネット)

いよいよ断末魔の竜、汚染物をばらまきつつ終焉を迎える。

 福島第1原発でダダ漏れ中の高濃度汚染水は、いよいよ手が付けられなくなってきた。

 3号機の汚染水の移送先だった廃棄物処理建屋は、27日までの2日間で水位が10.6センチも低下。移送したはずが、移した先でも大量に漏れ出しているのだから話にならない。おまけに、そこから地下通路に流れ込んだ汚染水の放射線量は、毎時70ミリシーベルトの高線量。作業員が付近で満足に仕事もできないレベルだ。

 3号機だけじゃない。1号機では、いまだ建屋の地下にたまった約4メートルの汚染水を放置したままだし、2号機は汚染水の移送先が満杯に近づいたことで、作業をストップしている。もはや、汚染水を移し替える場所は、どこにもなくなったのが現状なのだ。

 それでも原子炉への注水・冷却は止められないから、行き場のない汚染水は増え続けることになる。すでに敷地内には約10万トンもの汚染水がたまっているが、これが年末にかけて20万トンにまで膨れあがる。途方に暮れてしまうような数字だ。

 東電は仏アレバ社の技術を導入して、汚染水の放射性物質を取り除き、その水を冷却水として利用する「循環注水冷却システム」を計画している。これなら新たな汚染水を出さずに済むという計算らしいが、本当にうまくいくのか。環境ジャーナリストの天笠啓祐氏がこう指摘するのだ。
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 作業員の命だって危険だ。原子力の“最高権威”と呼ばれる日本原子力技術協会の石川迪夫最高顧問までもが、循環注水冷却について「100分の1まで除染できても、1000万キユリーもの高濃度の汚染水が循環することになる。これでは労災者が出る」と警告しているのだ。

 いったい“猛毒汚染水”をどうやって処理するのか。ある原発関係者はあきらめ顔でこう言う。

「もう、目をつむって海に流すしかない」

 しかし、そんなことをすれば、この国は世界中の怒りを買い、誰からも相手にされなくなる。菅首相はサミットで、「来年1月までの収束に全力を挙げる」なんて言っていたが、1カ月後には、お手上げじゃないか。(日刊ゲンダイ2011年5月28日掲載)

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5月30日 5号機も6号機も安心できないPt.1 小出裕章(MBS)

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