Entry

トップ > 書籍 > 本日の一冊

本日の一冊

ファイル 3029-1.jpg

文化勲章受章経済学者森嶋道夫氏の『なぜ日本は没落するか』(岩波現代文庫)。1999年に書かれた本書は2050年の日本を予言。少なくとも見事に現在を透視している。この人の予測は、専門が数理経済学であるにも関わらず、「人口史観」に基づく点がユニーク。要するに社会や経済、そして歴史の土台は人なのだ。よって人口構成のコホートの特徴を追跡すれば、トコロテン式に社会の構成スペクトルが変化するわけで、これで予測が可能となる。私も10代後半から20代前半の若者を30年近く定点観測しているので、社会の将来を予測できるのだ。この点、私の史観は「精神病理史観」であるが、きわめて似ている。私はニッポンを4回の去勢を受けた国家として論じているが、本書の観察と予測をかなり共有し得る。

人口問題から始めて(人口構成に分裂がある)、精神の荒廃(エイリート主義が排されたフラット化、要するにアホ化)、金融の荒廃(カネがすべて主義)、産業の荒廃(仲良しクラブによるイノベーションの欠落)、教育の荒廃(教育の普及によるレベル低下、ゆとり教育の弊害)と論じ、唯一の希望は東北アジア共同体の構築とする。この案はある面で大東亜共栄圏構想と似ているが、その手法は異なる。そして興味深いのは、すでにこの時点で、ヨーロッパ合衆国、アジア合衆国の出現を予言しており、さらに巨大合衆国への道を世界は歩むだろうと指摘する。まことにNWOの出現を射程に入れている点、まことに慧眼と言える。

ある意味、私がここで指摘していることを追認してもらった感があるが、民主党メルトダウンや原発メルトダウンはその見方の正当性の証拠とも言える。

さて、そのFukushimaだが、1号機の地下では毎時10Svを観測とか。すでに人が北京ダックになるレベル。どうやってこの建物を始末するのだろうか?

4号機はどうも上の部分を取り壊しているようだが、これでプールが丸裸となる。つまり水だけで遮蔽しているわけだ。前に紹介した元スイス大使の松村氏がいぜんとして警告を発している。UNに援助を求めるべきであると。

東電は4号機は大きな地震にも耐え得るとしているが、小出氏などはきわめて厳しい見方をしている。ここにも日本の没落の道程を見ることができるのだ。霊的にはイザヤ9章10節の裁きの御手が置かれるだろう。

この民、エフライムとサマリヤに住む者たちはみな、それを知り、高ぶり、思い上がって言う。
れんがが落ちたから、切り石で建て直そう。いちじく桑の木が切り倒されたから、杉の木でこれに代えよう。
そこで主は、レツィンに仇する者たちをのし上がらせ、その敵たちをあおりたてる。
東からはアラムが、西からはペリシテ人が、イスラエルをほおばって食らう。それでも、御怒りは去らず、なおも、御手は伸ばされている。
しかし、この民は、自分を打った方に帰らず、万軍の主を求めなかった。-Isa 9:9-10

Comment

Luke

test

  • 2012/06/28 22:19
  • Edit
Access: /Yesterday: /Today: