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浮世狂言

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午前はプールとサウナ、午後はDVD。いよいよ呉の孫権と蜀の劉備の孫劉連合が結成され、魏の曹操に赤壁にて対峙する場面に近づいた。諸葛孔明のヨミでは曹操軍は数の上では圧倒的だが、水軍が訓練されておらず、半数は指揮が低く、半数は曹操に恨みをいだいているというわけだ。ゆえに孫劉連合は十分勝機があるという次第。

かくして「赤壁の戦い」こそこれら三者が絡み合うクライマックスで、その後はきわめて政治的色彩の強い動きになる。映画『レッドクリフ』では諸葛孔明が陰陽道を用いて、天候までもコントロールしたとして、やや超能力者的に描かれていたが、史実は曹操軍が疫病にやられたということで、さほど諸葛孔明の力量が発揮されたわけではなさそうだ。

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・・・が、それでは面白くない。『正史』は人物ごとの淡々とした記録だけで、横のつながりを再構成する必要があるのだが、『演義』ではこれがダイナミックにフィクションとノンフィクションの間をぎりぎりかすめつつストーリーが展開する。いずれにしろ、歴史とは人間だ。人と人の相互関係のダイナミクスこそが歴史。もっと言えば人の心が綾なすもつれた糸の絡み合いだ。ゆえに私の精神病理史観も十分に根拠を持つのだ。

百歳近い禅のある高僧が、「浮世狂言やめた」と食を絶ち、眠るように逝った有名な話があるが、そう、所詮、目に見えるこの世の事象は浮世狂言*1。ところが青筋立てるほどにマジになって狂言が狂言でなくなると、ニッポンキリスト教のように狂気に陥るのだ。狂言は狂言としてこそ楽しむことができるわけ。

わたしたちは、見えるものにではなく、見えないものに目を注ぐ。見えるものは一時的であり、見えないものは永遠につづくのである。-2Cor 4:18

追記:ロシアがイスラエルを強く非難。ヨルダンのアメリカ軍がアラート状態に入った模様。

*1:ハリウッド的に言えば「マトリックス」だ。富井氏も今のキリスト教は偽装だと言われるが、まことにそのとおり。ただイスラエルはどうか。彼によるとこれも預言の成就の偽装となるわけで。あちらからみるとこちらは浮世狂言、こちらからみるとあちらはマトリックス。なかなか面白いではないか!所詮、現在のわれわれは部分的にぼやっと見ているだけなのだから。

わたしたちは、今は、鏡に映して見るようにおぼろげに見ている。しかしその時には、顔と顔とを合わせて、見るであろう。わたしの知るところは、今は一部分にすぎない。しかしその時には、わたしが完全に知られているように、完全に知るであろう。-1Cor 13:12

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