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嫉妬-歴史のダイナミズム

カインとアベル、ハガルとサラ、イシマエルとイサクエサウとヤコブヨセフと兄たちサウルダビデ・・・イエスと律法学者・・・彼らの相克の原因は何か、そう、嫉妬である。人類最初の殺人は嫉妬により行われ、そのプロトタイプが延々と繰り返されているのが歴史。そもそも罪のルーツはサタンの神に対する嫉妬だ。夫婦の問題、家庭問題、職場の問題、大学の派閥争い、いわゆるキリスト教会の問題、政治力学の問題、国家間の問題、ことごとく嫉妬がそのダイナミクスの原動力だ。まあ、神から捨てられた人類のきわめて本質的な問題と言える*1

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『三国志』はいよいよ「赤壁の戦い」の佳境に入っている。周瑜と諸葛亮が知略を競うのだが、諸葛亮が常に一枚上手だ。10日で10万本の矢を用意せよ、との周瑜による難題も、3日でよいとして、曹操軍の矢を草船で奪取する。北西の風を気に病んで周瑜はストレスによる吐血をし、寝込むが、その理由を即座に見抜いた諸葛亮は、そのあらゆる分野に通じた知識と祈祷により南東の風を吹かせる。しかも周瑜が自分を嫉妬により殺そうとすることも計算に入れ、難なく逃げおおせる。その際、周瑜の最愛の妻小喬が諸葛亮を逃がすのだ。かくして面目を完膚無きまでに潰された周瑜は最愛の小喬すら去らせる。かくしてこの因縁が孫権と劉備の争いとして最後まで持ち越されるのだ。

ニッポンキリスト教でもよく観られるのは、有能な信徒や執事・長老など、「No.2」的存在に対する嫉妬から、脅威を感じた牧師が彼らを粛清する現象*2。自分の立場を脅かす存在をあらかじめ体よく切るのだ。それはサウルのダビデに対する所業の再現。会社でも、大学でも、これはよくある現象。ヒトラーも末期には有能な部下たち、たとえば戦車の英雄ロンメルなどを次々に粛清した/しようとした。ここに働く病理がパラノイドだ。周囲がみな自分を蹴落とそうとしているかのように感じられる心理状態。「No.2」から見たらこれはたまらない。ボスのために良かれと思ってなしたことが、みなボスにとっては脅威となり、自分が抹殺されるのだから。かくしてその人物の評価は、その人物のなした事績よりは、その継承者の存在によって確認される。まとにイエスの言われるとおり:

それゆえ、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい-Matt 28:19

かくして人生を楽しむコツは、嫉妬から解かれること。Are you with me?

*1:真に嫉妬から自由とされるのは、神に受け入れられていることを味わうこと。真の満足を知ることによる。ここでも大切な問いかけは「アム・アイ・ハッピー?」だ。やはりYAZAWAは偉大だ!
*2:まあ、これは実にご苦労様なこと。どんどん任せてしまえば自分の人生をもっと楽しむことができるだろうに、と怠惰をこよなく愛する私的には思う次第。

Comment

電気屋です。

実にタイムリーな「お題」で、霊のシンクロを(勝手に)感じております。

嫉妬が罪の元凶 アーメンです。
面白いのは「その名がねたみである【主】は、ねたむ神」ともある所ですね。
光と闇の狭間、その交われない線引き 面白いです。

追記 家内が”YAZAWA”の本の帯で爆笑したました。
何か、伝染したのでしょうか? ハハ

  • 2013/02/03 07:40
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Luke

「神の悲しみ」もあれば、「聖なる嫉妬」もあるということかしらん。

爆笑を誘った「YAZAWA本」って、どれのことでしょうか?

  • 2013/02/03 10:04
  • Edit

電気屋

「アー・ユー・ハッピー? 」

でしたね。

  • 2013/02/03 18:22
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