本日の一冊
- 2007/11/05 11:21
- Category: 書籍
『三丁目の夕日の時代』。お昼を調達しに寄ったコンビニでつい買ってしまった。ニッポンはますます混迷の度を深めていますが、そんな中でこの映画がヒットするのも良く分かります。
私の歴史観は「東京裁判史観」でもなく、「皇国史観」でもなく、「陰謀史観」でもなく、「精神病理史観」です。米国は対日政策として、去勢策を次々にしかけているわけで、ここでも何度も指摘していますが、<開国=政治的去勢>、<敗戦=軍事的去勢>、<バブル崩壊=経済的去勢>です。かくしてニッポンはエディプス葛藤を内攻化し、アメリカに対して決して自立し得ない息子とされているわけ。
思えば昭和30年代。そんなことも知らず、ひたすら素朴かつマジメに生きて、将来に対する夢を抱いていた。21世紀になれば科学万能の鉄腕アトムの時代が来ると・・・。で、現在。その夢はもろくも崩れ去り、ニンゲンの心はますますその病理性を深め、それにネットが油を注ぎ、ニッポンの根幹が着実に腐ってきているわけ。大衆もうすうすはそれを感知しているがために、このような映画に惹かれるだろう。
しかしこの本の中のアイテムの懐かしいこと。見てるだけで現実をちょこっと離脱して、あの頃にバック・ツー・ザ・パスト。