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Dr.Lukeの一言映画評と本日の2冊

ファイル 311-1.jpgジョージ・クルーニー主演の『フィクサー』。ストーリーはこちらを。チョイ悪の主人公をクルーニーが実に渋く演じている。真実を握った者は、そのことによって命や社会的立場を危険に曝す事があるわけで、その緊迫感溢れる葛藤をリアリティをもって演じていた。しかしクルーニーはカッコイイ。若い頃はやや軽い感じだが、年輪を重ねてその顔のシワすらも魅力となっている。憧れますね^^また、助演の女優ティルダ・スウィントンがややサイコな役をその病理性をうまくかもしつつ好演していた。(昔のトム・クルーズの『ザ・ファーム』にモチーフが似ていたかな・・・)
続き
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ファイル 311-2.jpg一冊目は異端の物理学者原田稔氏の『相対性理論の矛盾を解く』(NHKブックス)。アインシュタインによる相対論は慣性系に限る「特殊」と、非慣性系における「一般」がある。特殊相対論においては「光速度不変性」と「すべての慣性系で物理法則は同じ形式を持つ」に基づいて、ローレンツ変換を中心に話が組み立てられている。ところが従来から種々のパラドックスが生まれ、話が混乱していた。

対して、原田氏とNY州立大のサックス氏は、相対論の本質に単位の絶対性が潜んでおり、すべてが相対的であるべき理論の根幹に自己矛盾があることを指摘した。なるほど。これは面白い指摘である。いわゆる動く物体が縮む現象や、宇宙飛行をした双子の寿命の問題など、確かに単位の絶対性を無意識的に仮定しているのだ。しかしこれは物理学の根幹を揺るがす指摘であり、彼らの論文は、レフェリーとの対立によって、なかなか受理されなかったようだ。

ファイル 311-3.jpg二冊目は東大が創立130年記念として出版した"ACADEMIC GROOVE―The University of Tokyo"。Jazzにはまっている私的には"GROOVE"と言う単語に反応して思わず買ってしまったわけ。各領域の学者が自分の学問のGROOVIN'しているわけ。まあ、ある意味「専門」とは究極の自己満足の世界なのだ。その帯の台詞が何とも-学問はわくわくするほどおもしろい!研究者はどきどきするほどかっこいい!-ホントかよ(笑)。まあ、皆さん天下の東大の出した本です。ぜひ、買ってみて下さいませ。

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