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大石内蔵助

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お家断絶の時、約300人の家臣がおり、彼らは城明け渡しに際して、幕府と戦って討ち死にする、とかの勢いの良いことを叫んでいた。しかし大石は人の心を知っていた。彼は浪人となった後、撞木町で遊び呆けた。若いお軽を側におき、彼女を愛した。これは吉良方を油断させるためとも言われているが、実は自分の家臣を絞るためだった。300人は不要。真に心のある者だけでよい。

ある家臣はそれをなじり、大石は昼行灯の役立たずと罵倒した。ある者は裏切られたと感じ、彼の元を去った。人の心を知る大石自身も、「亡き殿に命を捧げる」とする血判状をあえて一人ひとりに返却し、それを喜んで受け取る者はどんどん去らせた。浪人となった家臣たちにもそれぞれの生活と人生ができてきたのだ。ある者は恋に落ち、それを優先した。ある者は別の仕官の道が開けた。それぞれ事情はあったろう。大石は彼らを蔑視することはしなかった。むしろ憐れんだのだ。
続き
大石が欲しかった者は、ただ唯一筋の者たち。ある者は吉良家の近所で米屋を始めかなり繁盛した。が、それは自分のための商売ではなかった。すべては大義のため。その日のため、死に備えるための商売だった。生きたい者は去れ、死ぬべき者は残れ

主イエスの語りかけもまったく同じなのだ。「一緒に死のうではないか!」と叫んだ弟子たちも、イエスの十字架から逃げた。イエスに革命を期待した者はイエスの惨めな十字架に失望したことだろう。人の心はこうして露わにされる。しかしイエスは自分から去った者たちをなじることはない。ただ憐れむのだ。大石の場合、300人から47人に。ギデオンの場合、3万人から300人に。主は言われる:

「あなたの率いる民は多すぎるので、ミディアン人をその手に渡すわけにはいかない。渡せば、イスラエルはわたしに向かって心がおごり、自分の手で救いを勝ち取ったと言うであろう。それゆえ今、民にこう呼びかけて聞かせよ。恐れおののいている者は皆帰り、ギレアドの山を去れ、と。」こうして民の中から二万二千人が帰り、一万人が残った。
 主はギデオンに言われた。「民はまだ多すぎる。彼らを連れて水辺に下れ。そこで、あなたのために彼らをえり分けることにする。あなたと共に行くべきだとわたしが告げる者はあなたと共に行き、あなたと共に行くべきではないと告げる者は行かせてはならない。」
 彼は民を連れて水辺に下った。主はギデオンに言われた。「犬のように舌で水をなめる者、すなわち膝をついてかがんで水を飲む者はすべて別にしなさい。」
 水を手にすくってすすった者の数は三百人であった。他の民は皆膝をついてかがんで水を飲んだ。
 主はギデオンに言われた。「手から水をすすった三百人をもって、わたしはあなたたちを救い、ミディアン人をあなたの手に渡そう。他の民はそれぞれ自分の所に帰しなさい。」

また言われる:

あなたの宝のあるところに、あなたの心もあるからです。

繰り返すが、自分自身の満足を求め、面白いタメになる恵まれる説教を聴きたい人、甲斐甲斐しくお世話してもらいたい人は、ニッポンキリスト教に沢山いらっしゃるそういったセンセイのところに行かれたほうがよろしい。

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