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老化阻止、高体温によりHSPを増やせ!

卵子の老化について書いたついでだが、全般的に老化防止には体温のコントロールが重要。最近は小学生でも36℃前半の低体温の子供が増加しており、いわゆる慢性疲労症候群を呈しているとのこと。疲れ易い、だるい、気力が出ない、集中力がない、鬱気味・・・。加えて低体温では免疫系が低下し、発がん率なども上がってしまう。

かくして老化を防止するカギは体温を高めに保つこと。特に入浴により体温を上げることによってHSP(ヒートショックプロテイン)が増加し、これが痛んだタンパク質を修復して、老化や発がんを抑制するのだ。40℃程度に20分浸かることにより楽に体温を上げることができる。ついでに炭酸ガスを出す入浴剤も併用されると血管が拡張して効果が倍増する。極私的には温泉や風呂が大好きで、普段でも40-60分は入浴しているのだが、これがけっこう奏功しているようではある。

ファイル 3421-1.jpg

出典:愛知医科大学の伊藤要子先生

このHSPは分子量によりHSP60,HSP70,HSP90などがある。分子シャペロン機能(合成されたタンパク質の形状を整える働き)、細胞内におけるタンパク質輸送機能などがある。いつもどおり、その分子構造を紹介するが、これはHSP90のペプチド。


■お風呂で体をしっかり温めて、たるみを防ぐたんぱく質をつくる
HSPには正常時に体内で新しいたんぱく質の合成を促す作用と、傷害などで異常化したものを修復したり分解する作用がある。HSPが多いとたんぱく質の新陳代謝が促されて、コラーゲンやエラスチンが正常な状態を維持しやすくなり、アンチエイジングと病気予防効果が期待できる

炭酸ガスを含有する大分県の長湯温泉で、糖尿病患者2人が15日間毎日、温泉に入った後に30分間の保温を行ってHSP量と血糖値の変化を計測した。その結果、HSP量がピークのときに血糖値が大きく低下。HSPの増加は血糖値を抑制する可能性があることが分かった(データ:愛知医科大学・伊藤要子さん提供)
熱というストレスが体にかかったときにつくりだされるのがヒートショックプロテイン(HSP)というたんぱく質です。これが、糖化した皮膚のコラーゲンを排出する一方、新しいコラーゲンを生み出し、新陳代謝のカギになるとして注目されています。

「HSPを増やすのは簡単。40~42℃くらいの温度で入浴する(マイルド加温)だけでいい(下ののHSP入浴法参照)。マイルド加温によってHSPが生じると、新しいコラーゲンの生成が活性化するとともに、酸化ストレスから体を守り老化スピードも遅らせます。また、たるみの一因は筋肉の衰え(筋萎縮)にありますが、マイルド加温はたんぱく質量を増やすことで、筋肉の減少も抑制します」と愛知医科大学医学部准教授の伊藤要子さん。

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