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昨日の一冊

朝のジョッギングが実に気持ちイイ。夜はもう10時半には寝ることにしているので、日記を朝書くことが多くなった。

ファイル 365-1.jpgプロレタリア文学の旗手で、自らも獄中で拷問を受けて死亡した小林多喜二の『蟹工船』が売れているらしい。昨日、有隣堂をブラっとした時も平積みになっていた。オホーツク海での漁船と言う閉鎖空間で起きる労働搾取。資本家は何もせずにその搾取の上で暴利を貪る。現代の格差社会で、自らを投影する人々が多いのかもしれない。

それにしてもこの記事はひどい。妊婦までもがネットカフェ難民化しているらしい(→記事)。ポピュリズムに乗った新自由主義の風に吹き回された人々の到着点。メッセージでも語ったが、グッドウィルのマイクロバスに若者がパッキングされて、どこかへドナドナされていく光景を見て慄然とした(寿町には手配師をやっていたオッチャンがいるが、その世界だ)。もっと不気味だったのは、彼らが会話するわけでもなく、みんな自分のケータイを見つめていたことだった。現代は蟹工船ではなく、マイクロバスなのだ。

結局、政治や社会にも問題があるが、彼らも一日一日責任のない気楽な仕事を消化し生活を楽しんでいるのだろう。その刈り取りである。下手に正式社員などになるとそれこそ会社に搾取される、と彼らは考える。以前、NHK特集でニートの若者が「働いたら負けだと思う」とのたまっていたが、閉鎖社会ニッポンではすでに倒錯が起きている。要するに彼らはポジティヴな種を何も撒いていない。否、アフリカと同様に蒔くべき種までも食べてしまうのだ!その結果が飢餓である。

そのまた閉鎖社会であるニッポンキリスト教はいわずもがな。リバイバル音頭を踊っても、現状では霊的覚醒などは決してあり得ません。この惨状が行くところまで行かないと。極私的にはカプセル化された集団の行き着くところを見定めるための絶好の病理サンプルだと感じているのだが・・・。多分それは霊的"蟹工船"。その兆候はすでにネットを見ているとよく分かる。実に悲惨なギョウカイである。その中にあってキリストの体が搾取され、抑圧されているのを見るのは少なからずつらい。

閉鎖社会の共同幻想に思う

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