過零丁洋-文天祥
- 2013/12/30 19:34
- Category: 漢詩
- Tag: 漢詩 文天祥
先にも少し触れたが元のジンギス・ハンをして「真の男子」と言わしめた南宋の英雄。彼が元に捕縛され、ハンに対する降伏と恭順を求められた際に頑として拒絶し、詠んだもの。彼は潔い死を望んだのだった。
辛苦遭逢(そうほう) 一経より起ち
干戈(かんか)落落たり 四周星
山河破砕し 風は絮(じょ)を飄(ただよ)えし
身世浮沈 雨は萍(へい)を打つ
惶恐灘(こうきょうたん)の頭に惶恐を説き
零丁洋の裏に零丁を歎ず
人生古より誰か死無からん
丹き心を留め取って汗青を照らさん
干戈(かんか)落落たり 四周星
山河破砕し 風は絮(じょ)を飄(ただよ)えし
身世浮沈 雨は萍(へい)を打つ
惶恐灘(こうきょうたん)の頭に惶恐を説き
零丁洋の裏に零丁を歎ず
人生古より誰か死無からん
丹き心を留め取って汗青を照らさん
注:遭逢=出会い;一経=五経のうちのひとつをもって進士に合格したこと;干戈=槍と矛;絮=柳の花(綿帽子);萍=浮き草;皇恐灘=江西省江萬安県にある早瀬(舟行危険な場所)、「皇恐」は恐れるの意;零丁洋=広東省中山県南珠口河口の外洋、「零丁」はひとり落ちぶれるの意;汗青=書籍
参照:ウォッチマン・ニーの最期