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桃紅李白-簡文帝

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この時期、朝の空気が実に新鮮にして爽快。汗がスーッと引いて、肌をなでる風がなんとも☆カ☆イ☆カ☆ン☆だ。

度々、漢詩を紹介しているが、最近どうも漢字は避けられる傾向にある。極私的には高校の国語の教科書にあった中島敦の『山月記』で漢文のカッコ良さに目覚め、いつか漢詩を詠みたいと思ってきた。で、最近、素人の手遊びでやっている次第。本音は、FBには中国語と漢文の専門家もおられるので、恥をさらす覚悟なのだ

で、何分、表向き四角四面の固い漢詩ではあるが、もとは人のことば。人の営みや心の感動や葛藤から生まれるもの。今回はちょっと男女の機微を詠った艶っぽいものを紹介しよう。最近は告白も別れもLINEでチョイチョイ、みたいな感じだろうが、やや情緒に欠ける。対して簡文帝(503-551)の『玉台新詠』にあるこの詩は、実に女性の気持ちを鋭く描いている。特に最後の一句などはまことに秀逸!(分かる人には分かる、これは経験を重ねることによるが・・・ここがかわいい)。

蕭侍中子顯春別に和す四首 其四桃紅李白
桃は紅(くれない)に 李(すもも)は白く 朝の妝(よそお)いの若(ごと)し
羞(は)ずらくは 憔悴(しょうすい)を持して 新楊(しんよう)に比するを
借しまず 暫(しばらく)く住(とど)まりて 君前に死するを
愁(うれ)う 西國更生の香り無きを

桃は紅色に、李は白くて、まるで朝化粧をしたばかりのよう
昨夜の悦びにぐったりしたあたしは、瑞々しく芽生える柳に恥ずかしいほど
あなたのお側にしばらくとどまって、死んでもいいけれど
それでも、西国の生き返り薬がないと困るわね

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