本日の一冊
- 2008/12/12 12:27
- Category: 書籍
異才の碩学小室直樹氏の『日本人のための宗教原論』。彼いわく「宗教とは恐ろしいものと知れ」。キリスト教は「予定論」、仏教は「空」、儒教は「官僚」、そしてイスラム教は「宗教の手本」と評し、ニケア信条、ペラギウス論争、カトリックの腐敗の歴史、ルターの宗教改革など、キリスト教神学もかなり正確に網羅している。彼のキリスト教理解はややカルヴァン神学に傾いているが、その彼の言葉で言えば、中世のカトリックの腐敗の本質は「信徒に祈祷書を読ませ、讃美歌を歌わせるが、摩訶不思議なことに聖書を読ませることをしない。ここにキリスト教の正体を垣間見ることができる」だ。けだし名言だ。
そしてこれが実にカトリックだけではないこと、今日のいわゆるキリスト教すべからく的問題なのだ。あの油塗りの器やこのアメリカの先生の教え、あるいはこの神学者の理論は知っていても、なんと聖書の御言葉を知らない。しばしば私のメッセージを聞いて初めてその御言葉の存在を知ったと言う感想を私は何度も聞いている。私の定義するキリスト教とキリストご自身の相違がお分かりいただけるでしょうか?私はキリスト教徒などではないのだ。小室氏もイエス自身とキリスト教が別物であることに気がついている!?宗教の本質は恐ろしいものと知れ-小室氏はその博識と知性からみて、ある意味で異能の天才かもしれない。
なお、仏教の理解などについても感想があるが、それはここではオミット。またの機会に。
Salt
こっちの小室さんは私も好きです。
こういう学者はあんまりいませんよね。
お会いしたときに話が膨らみそうです。