池に臨む一羽の鳥は何を想いしか
- 2013/05/25 14:32
- Category: 漢詩
- Tag: 漢詩 一石 PHOTO
（七絶・平起式・上平声一東韻）
花叢 翠柳 春風を擅（ほしいままに）す
荷葉 依依として 趣 同じからず
流鶯 伴を求め 鳴く聲 響く
獨鳥 池に臨み 意 何ぞ窮らん
荷葉 依依として 趣 同じからず
流鶯 伴を求め 鳴く聲 響く
獨鳥 池に臨み 意 何ぞ窮らん
咲き乱れる花々も、緑の柳の枝々も、春風に想いのままに吹かれている。蓮の葉はお互いに寄り添いつつも、それぞれの趣きは異なっている。木々の枝を飛び交う鶯は伴侶を求めて、互いに呼び合う声が森に響く。ふと見ると池の杭に一羽の鳥が、果たしてその想うところは窮めることができるのだろうか。
(C)唐沢治