エロヒムの増殖-A SEED OF ELOHIM-

マラキ書は旧約の最後の書であり、これ以降、ジーザスが来られるまでの約300年間、YHWHエロヒムの言葉は聞かれることがなくなった。その中の一節:

一つ神は、われわれのために命の霊を造り、これをささえられたではないか。彼は何を望まれるか。神を敬う子孫であるゆえ、あなたがたはみずから慎んで、その若い時の妻を裏切ってはならない。-マラキ2:15(口語訳)

この意味が理解できるであろうか? あたかも不倫をするなと言ったニュアンスである。新共同訳は

主は、霊と肉を持つひとつのものを造られたではないか。そのひとつのものが求めるのは、神の民の子孫ではないか。あなたたちは、自分の霊に気をつけるがよい。あなたの若いときの妻を裏切ってはならない。

これも似たり寄ったりである。Hebrews Root Bibleにはこうある:

And has He not made you one (echad)? Yet the remainder of the Spirit is in him. And what of the one? He was seeking a seed of Elohim. Then guard your spirit, and do not deal treacherously with the wife of your youth.-Mal 2:15 (HRB)

この英文を訳すと、

”そして、彼はあなたがたをひとつに造ったではないか?彼の内にはその霊の残滓がある[1]アダムの罪の後、霊は死んだが、その機能である良心・直覚・交わりのうち、良心はかろうじて残滓として人のうちに残っている。。そしてそのひとつ[2] … Continue readingとは何のことか?彼はひとつのエロヒムの種を探し求めていた。ゆえにあなたの霊を守り、そしてあなたの若い時の妻をないがしろにしてはならない。”

マラキ2章は祭司たちに対する叱責である。そもそも彼らは唯一の父を持っているが、彼らは道を踏み外した(Mal 2:8)。人はYHWHエロヒムの形(phantom)と様(likeness)に創造されようとした[3]実際には形にしたがって創造されて、様はまだ得ていなかった(Gen 1:27)。様はいのちの木を採る時にその内実として得るはずであった。、神の一族であった(Acts 17:28-29 田川訳)。他の生物はみな「種に従って」造られたが、アダムはYHWHに型どって造られた(Gen 1:26-27)。加えてYHWHの息(neshamach)、つまり霊を吹き込まれた。この段階で他の生物とは異なる神的な存在であったのだ[4]Dr.Heiserは人は”Yahawehのimager”であると言っている。

この上にさらにいのちの木の実を摂れば、YHWHエロヒムの意図は実現した。つまりご自身のいのちの増殖である。が、最初の人アダムは失敗した。これを回復したのが最後のアダム(=旧創造の終り)であり、第二の人(=新創造の初穂)であるジーザスだ。アダムはキリストの型である(Rom 5:14)。すなわちキリストはいのち(Zoe)の充満そのものであり、そのいのちをご自身がいのちを与える霊として(1Cor 15:45)、われわれに分かち与えたのだ(☞神のエコノミー-いのちのディスペンセイション)。このいのちとはまさにマラキ書の a seed of Elohimである。キリストこそがアブラハムに約束された単数形の種だった。

ところで、アブラハムとその子孫に対して約束が告げられましたが、その際、多くの人を指して「子孫たちとに」とは言われず、一人の人を指して「あなたの子孫とに」と言われています。この「子孫」とは、キリストのことです。-Gal 3:16

子孫の原文は単数形の”sperm”、すなわち精子、すなわちDNAである。YHWHエロヒムのDNAであり、これをもってご自身のいのちを地上に増殖することこそがYHWHエロヒムの当初の意図であった。ゆえに

すべての身体はこの頭から発して、筋と筋によって支えられ、組み上げられて、神の成長を成長するのである。-Col 2:19(田川訳;岩波訳の注)

何が成長あるいは増殖するのか? ここを他の訳はみな誤訳している! 成長するのはキリストの体、それはエロヒムの成長である! これは”a seed of Elohim”がわれわれの霊の内にインヒュージョンされたゆえである。まさにYHWHの遺伝子工学である。われわれの霊はYHWHエロヒムの霊を分かち与えられたもの。

神はわたしたちに、御自分の霊を分け与えてくださいました。このことから、わたしたちが神の内にとどまり、神もわたしたちの内にとどまってくださることが分かります。-1John 4:13

われわれ(の霊)は神のロゴスにより生み出された。

御父は、御心のままに、真理の言葉(ロゴス)によってわたしたちを生んでくださいました。それは、わたしたちを、いわば造られたものの初穂となさるためです。-James 1:18

ロゴスが内に植え込まれた者はエロヒムであると主ご自身も証しされる:

そこで、イエスは言われた。「あなたたちの律法に、『わたしは言う。あなたたちはエロヒムである』と書いてあるではないか。神の言葉(ロゴス)を受けたうちに存在せしめれた(ginomai)人たちが、『エロヒム』と言われている。そして、聖書が廃れることはありえない。-John 10:34-35

それはわれわれの霊である。ゆえにマラキ書ではあなたの霊を守れと言われるのだ。このヨハネの節に対してHRBは次のような栄光のコメントを与えている。

This psalm is talking about mankind’s great potential to become a literal child in the family of Yahweh (Rom 8:11-17) Psa_82:6

”この詩編はYahaweh家の文字通りの子とされるという偉大なる人類の可能性について語っているのである。”

中村家に生まれれば、ホモサピエンスとして中村族のDNAを継ぐ実の子である。ただし、両親とpersonは異なる。同様にYahaweh家に生まれるならば、エロヒム族としてYahaweh家のDNAを継ぐ実の子である。ただし、YahawehのPersons(=父・子・聖霊)とは異なる。何度も繰り返すが、エロヒムを「神」と訳し、Yahawehを「主」と訳すのが誤りである。これで日本語マトリックスに絡めとられて、ニッポンキリスト教なるタコツボが構築されることは繰り返さない。

われわれはエロヒムのシードをインヒュージョンされた新生命体である。エクレシアとはキリストの体であり、キリストの肉の肉、骨の骨(エペソの邦訳には落ちている)、この方の充満である(Eph 1:23)。すなわちキリストのいのちそのものであり、その増殖だ。エロヒムはキリストの体にあって増殖するのだ!(☞エロヒムの誕生と増殖@YouTube)

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References

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1 アダムの罪の後、霊は死んだが、その機能である良心・直覚・交わりのうち、良心はかろうじて残滓として人のうちに残っている。
2 このひとつとは”אחד”(echad)、ℵは権威、חは外・分離、דはドアを意味する。つまり、分離されたものをひとつにする権威あるドアである。ドアとは門でありポータル。すわなち「わたしは門である」と言われたお方である。
3 実際には形にしたがって創造されて、様はまだ得ていなかった(Gen 1:27)。様はいのちの木を採る時にその内実として得るはずであった。
4 Dr.Heiserは人は”Yahawehのimager”であると言っている。

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