量子情報論専門家との対話:ド・ブロイの物質波は実在ではない?!(追記あり)
Twitter上におけるHotta先生との対話を収録しておきます:
今度講談社サイエンテフィクから出る現代的な量子力学の教科書では、シュレディンガー方程式を「物質波の波動方程式」と書いたりしませんし、更に言えば、今では存在しないことが分かっているドブロイの物質波にも全く触れません。読者に間違った理解をさせるだけだと判断しました。
— Masahiro Hotta (@hottaqu) February 18, 2021
波動関数は物質波ではなく、様々な物理量を測定したときのその確率分布の集合です。物理的な実在ではなく、情報的概念です。その波動関数が満たすシュレディンガー方程式も、3次元空間を伝搬するなんらかの物理的な波動を記述する「波動方程式」なんかではありません。
— Masahiro Hotta (@hottaqu) February 18, 2021
驚いた。ド・ブロイ波はない?でも、シュレーダァンガー導くときに、ド・ブロイの公式を使っていたように思いますが。
— Luke Karasawa(唐沢治) (@Doctor_Luke) February 19, 2021
すると、ド・ブロイの公式も情報論的なものということでしょうか?
— Luke Karasawa(唐沢治) (@Doctor_Luke) February 19, 2021
ドブロイの公式とは波数と運動量を結びつける公式のことですよね。それは粒子の運動量の固有状態における波動関数の波数で成り立つだけの関係です。運動量の重ね合わせ状態ではそもそも意味はありません。
— Masahiro Hotta (@hottaqu) February 19, 2021
ありがとうございます。物質波が実在ではないということはかなりショッキングです。たとえば、こういった実験は波動性が物理的実在であることを示すのではないでしょうか?☞https://t.co/bfhEY3z6NH
— Luke Karasawa(唐沢治) (@Doctor_Luke) February 19, 2021
波動的振る舞いがあることと、何等かの物理的実在としての波が存在することを区別されてください。「波」の振る舞いは「粒子」の状態の量子的重ね合わせで出てくる構造になっています。
— Masahiro Hotta (@hottaqu) February 19, 2021
ネルソンの場合も、宇宙全体で瞬間に影響を及ぼしあう大域的な(変な)実在を仮定する隠れた変数の理論ですので、そのようなモノを導入せずに説明できる普通の量子力学のほうが優れていると個人的に思っています。
— Masahiro Hotta (@hottaqu) February 20, 2021
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