Dr.Lukeの一言映画評
- 2008/10/18 18:21
- Category: 映画
スティーブン・スピルバーグの『イーグルアイ』。テロリストを誤爆した米国政府に対する報復攻撃を阻止するために、国家のセキュリティを監視するコンピューター・マリアが、命令を出した大統領を抹殺することによって、国家の安全を守ろうとする。コンピューターと人間の頭脳戦。
そこに展開するのは、国家の安全保障のために、あらゆるメディア機器や人々が監視対象になっている現実。事実、日本にも三沢基地にエシュロンが配備されている。私たちの通信はすべて傍受・盗聴し得るのだ。監視カメラもイギリスに追従してきているわけで、私の昨晩の行動なども把握する事は原理的には可能なのだ(あ、別に怪しいことをしているわけではありませんので、念のため^^)。電車に乗るものSUICAで把握されるし、車はSシステムやETCで監視されている。クレジットカードで購買歴が残り、加えてケータイで写真ばかりか、ビデオも撮影することなども簡単。どこで誰に目撃されているか分からない。
ちなみにわが大学では写メを一緒に、とのリクエストばかりでなく、講義において何故か私を狙い撮りしている学生もいるのだ。またネットではアクセスログが残るし、メールはいつでも覗き見ることができる(要するにハガキなのだ)。スピルバーグが警鐘を鳴らす近未来の物語。まあ、コンピューターが意志を持つことはあり得ないが、あたかも意志を持つかのような振る舞いをするプログラムはいかほどでも組める。頭を休めつつ、適度な緊迫感を味わうにはよろしいかと。