荒田阪大名誉教授の常温核融合続報
- 2009/10/16 11:25
- Category: 科学
- Tag: 常温核融合
今回、国際学会ICCF15がローマで開催された。前に紹介した荒田先生の固体内核融合について、(リチャード・コシミズ氏以外には)国内ではほとんど注目されていないが、世界的にはかなりの評価を得ているようだ。荒田氏によるとすでにアメリカと中国が実用化に向けて動き出しているようです。
復習しますと、重水から取り出した重水素D2(Dは1個づつの陽子と中性子からなる:p+n)をパラジウムのナノパウダーに吹き込むと、その結晶構造の中において核融合が起こり、ヘリウムと熱エネルギーが産生されるというもの。反応式は
D(p+n)+D(p+n)→He(2p+2n)+エネルギー
アインシュタインの相対性理論によると、質量とエネルギーは等価であって、山口百恵の曲にもあった
E=mc^2
に従って変換される。これが何と試験管内レベルで起こるのだ。しかも上の反応式を見れば分かるが、放射線は一切出ない!
これが実用化されるならば、脱石油、つまり脱カーボン社会が実現するわけで、まさに夢みたいな話である。それとともにカーボンで潤っている人々は大打撃となるわけ。このあたりはコシミズ氏に任せて、学会の詳細ならびに世界の反応についてはこちらを参照されたい: