Dr.Lukeの一言映画評
- 2009/10/19 18:24
- Category: 映画
封印しておこうと思っておりましたが、ついに観てしまいました。寺尾聡主演の『さまよう刃』。妻に死別し、中学生の娘だけを生きがいとしていた長峰。ある日、その最愛の娘が若者ふたりに陵辱されて、殺される。彼は生きがいを失い、少年法にはばまれて真実を知ることもできず、悶々と日々を送っていた。
そんなある日、電話が鳴る。犯人の氏名と住所が告げられたのだ。その声の主にももちろん思惑があったのだが、長峰はその住所を尋ね、その部屋で犯行ビデオを観てしまう。あまりのむごさに嘔吐する長峰。そして帰宅した犯人のひとりを刺す。そこから始まる逃亡生活。
一方、殺人犯となった長峰を追う刑事たち。そのうちのひとり、若き刑事織部は捜査そのものに疑問を抱きつつ、「俺たちは人を守るのか、それとも法律を守るのか」と自問自答する中で、長峰に深い同情を寄せる。逃亡先でも人の好意に触れつつ、残った犯人に迫る長峰。そして法律に絶望した男が自ら復讐の瞬間を迎える・・・。が、彼の取った行動とは・・・!?
ちなみにこのラストシーンの舞台が、なんと映画を観ている川崎のチネチッタ。昔、「みなとみらい21」を破壊するゴジラをみなとみらい21の映画館で観たことがあったが、なんだか不思議な感じだ。
しかし、うーーん、ヘヴィーだ。少年法なる時代の遺物はそろそろ見直されるべきだろう。ストーリーは小説だから、ディテールには難がある部分も散見されるが、寺尾の寡黙にして感情を抑えた演技が光る。この男、『西部警察』では目一杯ハッていただけだが、最近実に渋くてイイ。Dr.Luke的にも理想的な年齢の重ね方をしている。
私のカラオケのレパートリーの一曲、『二季物語』を張っておきます。この曲は25歳のころ、渇いていた私の心象風景そのものなのです。
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本日の一枚(と言っても2枚組)は倉木麻衣の"ALL MY BEST"。透明感のあるリズム感溢れるR&B調サウンド。ノレる!