晩夏熟想
- 2016/08/23 20:31
- Posted by Dr.Luke Karasawa (唐沢治)
- Category:漢詩
- Tag:漢詩, 一石
晩夏に熟す想ひ 一石
晩夏 清風の夕(ゆふ)べ
殘炎に 秋意(しゅうい)何(いくばく)か
濤聲(とうせい)に 幽興(ゆふけふ)熟し
暮懐に 金波 瀉(そそ)ぐ
(五絶・仄起式・下平声五歌韻)
■直訳:立秋も過ぎ、暦の上では晩夏。海風がさわやかな夕暮れ時。残暑も残るが、秋の気配を感じられる。波の音に風流な感覚も熟しつつ、暮れ時の懐に黄金に光る波が寄せてくる。
■釈意:私の人生も夏の終わりに差し掛かるが、爽やかな命の風を味わいながら、まだ夏の暑さの余韻も残しつつ、人生の秋を迎えつつある。波の音にも自然の妙味を覚えて感動し、人生の暮れに向かうわが心にも、依然として金色の輝きの波が押し寄せているのだ。