前回のポストでこの二つがあることを紹介した。どう違うのですかとのご質問をいただいたので軽く触れておこう。

わたしが異言で祈る場合、それはわたしの霊が祈っているのですが、理性は実を結びません。では、どうしたらよいのでしょうか。霊で祈り、理性でも祈ることにしましょう。霊で賛美し、理性でも賛美することにしましょう。-1Cor 14:14-15

ウォッチマン・ニーはこのふたつをこう譬えている。石油などを缶からくみ出すシュポシュポするポンプをご存じと思う。

これを使う際、最初は力を入れてシュポシュポするが、石油が流れ出すとサイフォンの原理で手を放しても、つまり何の努力もなしに石油は流れる。つまり法則が働き出すのだ。この最初の力を入れる部分がちょうど知性による祈りに相当し、自然と流れる部分は霊の祈りであると。いのちの御霊の法則に乗った祈りである。異言であれ、言語化されたものであれ、霊が生き生きと活動していることが分かる。

ここで大切なのは、祈りを象徴する幕屋における香壇の位置である。出エジプト記ではこうある:

あなたはそれを、あかしの箱の前にある垂幕の前に置いて、わたしがあなたと会うあかしの箱の上にある贖罪所に向かわせなければならない。 -Exo 30:6

一方でヘブル書では:

また第二の幕の後に、別の場所があり、それは至聖所と呼ばれた。 そこには金の香壇と全面金でおおわれた契約の箱とが置かれ、その中にはマナのはいっている金のつぼと、芽を出したアロンのつえと、契約の石板とが入れてあり-Heb 9:3-4

お分かりだろうか? 出エジプトでは幕の前、つまり聖所におかれ、ヘブル書では幕の後ろ、つまり至聖所におかれている。この違いは何か? そう、イエシュアが十字架で亡くなる際、幕は上から下へと真っ二つに割かれたのだ(Matt 27:51)。方向が大切、人が割くならば下から上である。つまり神ご自身が裂いたのだ。

幕屋の外庭は体、聖所は魂、至聖所は霊を象徴するが、ユダヤ人は霊にはいまだにベールが掛かったまま魂の領域で祈る(2Cor 3:15)。

彼らにとっては香壇はいまだに魂の領域にあるわけだ。しかし霊のベールが外されたわれわれニュークリーチャー、新人類は香壇は至聖所におかれ、したがって霊の領域で祈ることができる。もちろん魂でも祈ることができるが、それはちょうどポンプを作動させる初期作用と言える。これがウォッチマン・ニーが述べている譬えの意味である。

しかしながら、経験的に言えば、知性による祈りは努力というか気力が要る。何を祈るべきかもわからず、言葉もなかなか出てこない事はよくある。ところが異言による祈りは実に単純だ。両手を挙げて主にフォーカスし、口を開くといくらでも出てくる。ポンプを力を入れてシュポシュポする必要がない。そして気持ちがいい。

一方で問題を抱えたり、圧迫を受ける時には、御霊がうめきをもってとりなしてくださる(Rom 8:26)。この際も、言葉は出ない、つまり祈りの内容が言語化はされないが、内なる霊が祈っていることは分かる。聖霊と私の霊が共に作用(sunerugero)しているのだ(スピリチャル・シナジー効果)。

そのうめきの意味は御霊がご存じであり、天の父に直接に届いて受理される。つねに祈りなさいとは、言語化された祈りではなく、霊による祈り、もっと言えば霊の呼吸である。


このようにして魂(知性)から始まるにせよ、霊から直接にせよ、祈りは私の霊と聖霊がブレンドされて香として主の御座に立ち上る。私たちの必要の満たしや問題の解決を超えて、主の渇きを癒し、主の御心を祈る。これを私は「プレイバック」と呼んでいる。Play Backではなく、Pray Back

主はご自身の心を汲んで、それを祈ってくれる相手を求めている。ちょうどアダムにとっての助け手エバのように。なぜかYHWHはご自分だけでわざをなさることを好まないようだ。私たち、もっと言えばキリストにとっての肉の肉、骨の骨のエクレシアと共にわざを進められることを願われる。人間関係でもお互いに気持ちを汲み取りあいつつ、それに応え合う関係では幸いであろう。

まことに主が「人がひとりいることはよくない、それにふさわしい助け手を与えよう」と言われたのは、主ご自身のつぶやき、つまりhiggâyônであったと極私的には思われるのだ。魂(知性)でも祈り(ソウル・プレイヤー)、霊でも祈る(スピリチャル・プレイヤー)。それはいわゆるキリスト教の「お勤め」ではなく、私たちのスピリチャル経験を豊かにかつ深くする、まことの喜びなのだ。

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