神の器譚
- 2015/07/08 08:30
- Posted by Dr.Luke Karasawa (唐沢治)
- Category:信仰
- Tag:ジョン・ノックス
時は宗教改革の嵐吹き荒れる16世紀英国。ジョン・ノックスはカルバンの影響でローマカトリックを離れて長老教会を設立。スコットランドを改革するが、カトリックの女王メアリ・スチュワートと対立。同じ頃イングランドの、こちらもカトリックのメアリ女王は、プロテスタントを滅ぼすべく300人を処刑して、ブラッディ・メアリの名を残す。スコットランドを攻撃するメアリの姿勢に対して、ノックスは祈る。「神よ、私にスコットランドを与えてください!そうでなければ死を!」と。
するとメアリの虐殺指令は中止され、メアリ自身が重病に罹る。死の病の最後の苦しみの中でメアリーは、絶叫した。「あぁ、ジョ・ノックスひとりの祈りが百万人の大軍より怖い!」と。対してジョン・ノックスは、告げた、「祈るひとりの人は祈らないひとつの民族より強い!」と。1572年11月24日に召された彼の碑文にはこうある。「ここに神の他には肉なる者を恐れない者が眠る」。
政治と宗教の混乱に巻き込まれたジョン・ノックス。世の物差しで生きたら明らかに敵の罠に陥る状況だ。彼は神の物差しだけに従った。再建主義の富井氏もよく言われるが、われわれの祈りは国家を動かし、ひとりの祈りが国家を滅ぼすこともできるのだ。なぜ?天地を創造された神が動かれるから。神の物差しによる祈りは神を動かす、否、神はそのようなわれわれの祈りを待っておられる。アブラハムのとりなしの祈りの時のように。