Dr.Lukeの本日の書評-『国家は破綻する』-
私が好きなこの方、いつの間にか参議院議員になられていた。実務家だけあって、実に分かりやすい。彼は前々から円安誘導で景気回復をと訴えていたが、さらにすでにかなり前からマイナス金利策を主張していたのだ。
ところが黒田氏は先に異次元の量的緩和策を取って、国債を買い込み、B/Sを膨張させた。何と国際残高400兆!で、さらに買い込んで日銀当座をマイナス金利にしているわけ。マネーをじゃぶじゃぶにして物価を上げて、2%インフレを狙っているのだが、問題はそれを達成して日銀が国債を買わなくなる時、これが地獄への入り口だと。つまり景気がよくなっても、ならなくても地獄。実は黒田氏もそれを知っているわけ。
実は私も2%インフレの必要性を主張し(誰も聞いてくれないが・・・⇒http://www.dr-luke.com/diarypro/archives/2505.html)、日銀が国債購入をやめるときが恐いと書いている(⇒http://www.dr-luke.com/freo/view/20160214233558)。そう、誰も買い手がいなくなり、国債は暴落、金利は暴騰する。藤巻氏は30%、40%もあり得ると言う。かつて98年ごろのロシアがそれ以上だった。ちなみに私がバブル時代に借りた時は7.5%。
かくして、同氏はハイパーインフレしか今の1,000兆越えの借金を処理する術はないと言われる。が、貯金はすっとび、物価は高騰、それは国民生活を崩壊させる。よく政府の借金であり、国民の負債ではなく、またB/S上は破綻していないという主張があるが、会社でも黒字倒産はよくあること。つまり手元流動性がなくなって、資金ショートすれば、オシマイ。かくして藤巻氏はこの国は確実に破綻すると予測する。
そしてこれも前々から主張しているが、私もそうなのだ。ニッポン、オワッタ。かくして簿記が分かると経済は素人の私にも読めるようになるのだ(私、実は会社のオーナーなのだ)。ゲーテが複式簿記は人類の英知だと言ったが、単なる足し算引き算だが、実におもしろい。まことにマネーが幻想であることに大衆が気がついたらすべては蜃気楼のように消え去るのだ。これ、ホントのことですよ!