春の詩を二題
- 2017/02/15 19:52
- Posted by Dr.Luke Karasawa (唐沢治)
- Category:漢詩
- Tag:漢詩, 王維, 一石
立春も過ぎまして、春めいてきました。で、春の詩を二題。
春風を愁う 一石
玄天に 春意(しゅんい)動き
淑氣(しゅくき) 晴空に滿つ
却(かえ)って恨む 花の涙を含むを
愁(うれ)え教(し)む 粉を送るの風
(五絶・仄起式・上平声一東韻)
これは花粉症で苦しんでいた頃に詠んだもの。今は癒されております。
次は巨匠王維のもの。並べるのはちょっと・・・ですが
酒を酌んで裴迪(はいてき)に与う
酒を酌んで君に与う 君自ら寛(ゆる)うせよ
人情の翻覆(はんぷく)は波瀾に似たり
白首の相知(そうち)も猶を剣を按(あん)じ
朱門の先達は弾冠(だんかん)を笑う
草色全く細雨を経て湿(うるお)い
花枝動かんと欲して春風寒し
世事(せじ)浮雲 何ぞ問うに足らん
如(し)かず 高臥して且つ餐(さん)を加えんには
ここまで生きるとけっこうこの境涯が共有できるわけ