主権喪失国家の処方箋-主権の確立と行使の復権-

これはかつてリバイバル新聞に書いた記事の再録である。この事件は戦後ニッポンの病理の象徴であったと思える。

傍観者の病理

今般、中国瀋陽の日本総領事館に五名の北朝鮮の亡命希望者が逃げ込もうとした際、中国側警官が治外法権であるべき敷地内に侵入し、五名を捕縛する事件が起きた。日本側職員は呆然とただ見ているだけであった。

北朝鮮のテポドンミサイルが日本の領空を横切った事件や、北朝鮮による拉致問題なども未解決のままである。これらの事件を見るたびに、つくづく日本は主権国家ではないことを認めざるを得ない。自国の主権の及ぶ領域において、相手方のやりたい放題を許している。何という体たらく・・・。

翻って国内でも政治家、企業、学校、病院、そしてキリスト教界においてすら、種々の情けない問題が起きているが、そこには当事者能力を失った、というよりは放棄した形での「傍観者の病理」が蔓延している。その本質はあなた任せの「受動性」である。

サタンの侵略方法

霊的領域では「受動性」は致命傷となる。神のかたちに造られた人間が罪によってその栄光を失って以来、サタンは人間の主権を侵害し続けている。私たちはすでに闇の支配から御子の支配に移された存在であるが(コロサイ一・13)、神の子としてのアイデンティティが脆弱であるために、主権と権威を行使しないでサタンの侵略を許している人々があまりにも多い。そしてサタンの罪定めや中傷に身を任せ、その脅しの「声」に怯えている。これらの人々の特徴はやはり「受動性」である。

カルト化の病理

彼らは自らの意志決定と主権の行使を放棄し、治外法権であるべき霊的領地内に敵の侵入を許し、呆然と立ち尽くしている。時には霊的な「声」ではなく、牧師や”預言者”の言葉を、御言葉や内的証しと照合することなく、無防備に受け入れ偽りに束縛されている。例えば「○○新聞は読まない方がよい」とか「□□師の教えは危険である」といった暗示的示唆を自ら吟味することもなく真に受ける人々は、自らの有する神の子としての主権を自ら放棄していると言える。パウロの言葉すら主体的に聖書と照合したベレヤ人に倣うべきである(使徒十七・11)。

今日看板は”正統”であっても少なからぬ教会がカルト化しているが、その初期の兆候に情報のコントロールがある。「ハリポタ論考」でも触れたが「認知的不協和の理論」を提唱したフェスティンガーは、カルトの方法として、行動の統制、思想の統制、情緒の統制をあげ、さらにハッサンは情報の統制をあげている。マインドコントロールの方法の基礎理論である。この際情報の統制に成功すれば残りの要素を統制することはきわめて容易である。たとえ”正統な教会”であっても何らかの形で情報の統制があれば、遅かれ早かれカルト化するのは明らかである。

こうして「受動性」を作り上げ、行動、思想、情緒を統制し、自ら責任ある自立した信徒としての霊的アイデンティティを脆弱にし、ついには主権を放棄させるに至る。これがカルトの方法である。

初期攻撃警戒網の確立

サタンのイニシャル・アタックは、今回の中国警官のように、不法かつ強引に敷地内に侵入し、私たちの霊的城壁に穴を開けることである。仮にその侵入が軽微なものであっても、それを許した事実は更に敵に付け込ませるスキと立場を与え、穴は徐々に広げられ、気づいたときには修復が困難になる。敵の軽微な違反と攻撃―イニシャル・アタック―を警戒し、主の血によって確実に阻止すること、これが霊的な戦場における要諦である。

加えて現在の日本の教界にあっては、神の御前における単独者としての自立した信仰者のアイデンティティと主権を回復することが急務である。神はつねに「あなたは」とニ人称で問いかける方なのである(ヨハネ二十一・22)。


今日のニッポンはGHQの仕掛けたWGIP(War Guilty Information Program)により、自責感を植え込まれ、自律して意思決定する姿勢を奪われている。すべての領域において「あなた任せ」の状況である。最近、ようやく国防費を増額する決定をしたが、それも増税によると[1]なぜ国債を出せないのか、これはGHQの仕掛けた「財政法」による縛りのためである。これについてはこちらを参照。また仕入れる兵器もどうも賞味期限切れのシロモノのようでもある。

ちなみにかつての太平洋戦争はアメリカやイギリスの仕掛けに乗せられたものであって、東京裁判は事後法に基づき、管轄権なども無視した不当な裁判であったことが、すでにパール判事の判決をはじめ、多方面の証言から明らかになりつつある。

例えば、太平洋艦隊司令官セオボルト少将は、真珠湾は日本に最初の一発を打たせるためのオトリだった、とその著書で証言している。ルーズベルトはその前にすでに秘密命令で戦争司令を発令していたのだ[2]ルーズベルトはガリガリの社会主義者にして、人種差別主義者であった。。また東京裁判の法源である「極東国際軍事裁判所設立に関する特別宣言」を出したマッカーサー自身が、日本が戦争に突入した目的は、主として安全保障(security)の必要に迫られてのことでした。と証言している。

さて、様々な分野が食い荒らされているこの国ではあるが、このビデオはかなり衝撃的だ。自分自身、無知というか無関心だった領域だが、食料は国防の根幹であるにもかかわらず、国はこの分野を保護し育てる気はないらしい。食料自給率はすでにカロリーベースで38%だ。この現場の声が政府に届くのか?

その政府の長岸田は、インフレ率以上の賃上げをお願いしたいと。まことに高橋氏の苦言の通りである。

主体性、つまり主権国家としての体をなしていないのだ。以前より私は、日本は米の超長期的対日策(オレンジ計画とも言われる)により、<開国=政治的去勢>、<原爆=軍事的去勢>、<バブル崩壊=経済的去勢>、<原発事故=倫理的去勢>を受け、エディプス葛藤において挫折している故に、精神病理的に診て自立はできないと言っている。今回のコロナ騒動もその兆候の顕著な現れであるが、22年度の新生児数は80万を切る予測もある。

白人主導の世界の動きはノアの予言の成就とも言える。すなわちヤペテ(白人種の祖)はハム(黒人種の祖)を奴隷として、セム(黄色人種の祖)の天幕の覆いのもとでその領地を広げ、繁栄するのだ(Gen 9:27)。日本人はこの予言に挑戦しているとも言える。

ともあれ、この国が復活するためには、目先はまず経済の立て直しだ。そのためにはマネーの本質の理解を得る必要がある。今の国債は借金だ、財政破綻する、子孫にツケを残すなというPB黒字真理教の呪縛から解かれる必要があるのだ。そして本質的にはWW2の真実を知ること、GHQによるWGIPの刷り込み(罪責感)から解かれることが先決である。サタンの手法は人をして罪意識を持たせること、それにより人は無力化され、受動性に陥り、あなた任せ、アパシー状態に幽閉される。これはニッポン社会と合わせ鏡であるニッポンキキリスト界において顕著に観られる兆候である。

結局はプラトンが言う通り、リアリティーとの接点であるマインドが「リアリティー(=リアリティーのパーセプション)」を作り出す。マインドを変えれば、その「リアリティー」も変えることができる。すると意思決定も変わる、結果もついてくるのだ。スピリチュアルにもソーシャルにも、マインドのトランスフォーメーションがカギである

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1 なぜ国債を出せないのか、これはGHQの仕掛けた「財政法」による縛りのためである。これについてはこちらを参照
2 ルーズベルトはガリガリの社会主義者にして、人種差別主義者であった。

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