CLIP:1都8県の空中で放射性ヨウ素など検出 (読売新聞)
- 2011/03/20 22:29
- Category: 科学
福島第一原子力発電所の事故の影響を調べている文部科学省は20日、首都圏を中心に1都8県で、ほこりや雨水などの空中降下物から放射性ヨウ素や同セシウムを検出したと発表した。
専門家は、直ちに健康に影響を及ぼす数値ではないとしている。同時期の水道水調査で規制値を下回る放射性ヨウ素が出ており、今回の検出は、原発から放出された放射性物質が水道水に溶け込んだ裏付けとなる。
各都道府県で19日午前9時~20日同9時の間に採取した。放射性ヨウ素は、栃木県で1平方キロ・メートルあたり540メガ・ベクレル(1平方メートルあたり540ベクレル)のほか群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山形、新潟で検出。セシウムは群馬で63メガ・ベクレル(同63ベクレル)のほか栃木、山形、千葉、岩手で検出された。宮城、福島、茨城、奈良のデータはなく、ほかの道府県では検出されなかった。18日午前9時からの24時間では、栃木で1300メガ・ベクレル(同1300ベクレル)の放射性ヨウ素を観測するなどしたが、翌24時間は数値が低下した場所が多い。事故後、空中降下物の放射性物質量が公表されたのは初めてで、観測は今後も続けられる。
松原純子・元原子力安全委員会委員長代理は「チェルノブイリ原発事故が周辺の国や地域に及ぼした汚染レベルの1000分の1以下と言え、直ちに健康に影響を及ぼすものではないが、環境中や、野菜、牛乳などの放射能レベルを継続して観察していくことが重要だ」と話している。
松原氏は学生時代に教えを受けたが、放射線の専門家、亜鉛に放射線防護効果があることを発見した方。ご主人はイスラムの方で、けっこう有名人。ちなみにこちらのデータは、前にガンの生存率曲線について説明したが、それと同じ手法による亜鉛の防護効果を示しているグラフ。
X線7.5Gy マウス全身照射直後、亜鉛含有酵母(100mg/Kg)投与の30日間生存曲線(n=28)。亜鉛酵母は照射60分後投与においても高い生存率を示し、治療剤としての可能性が期待される。
なお、右の放射線のリアルタイム計測結果では、10時過ぎにやや上昇したもの、再び平均18CPM程度に戻っている。120CPM=1μSv/hだから、0.15μSv/h。よって年間換算すると、0.15×24×365=1,314μSv。すなわち1.314mSvとなる。これがどの程度のものかは下の図で判断して下さい。
注:ベクレル(Bq)とは放射線を出す物質の能力を現し、10Bq/㎥の場合は、1㎥あたりに10個の放射性物質があることになります。シーベルト(Sv)は生体に対する影響力を現し、放射能の強さを表すグレイ(Gy)に各放射線の生体に対する影響度をかけて算出します。