廃墟群化するニッポン-財政投資とGDPの関係は鶏と卵の関係か?

この左の鉄筋アパート、サイクリングする川っぺりにあるのだが、いかにもな雰囲気。他の二枚はわが田舎の家の前にある元三協、現日本電産(電産サンキョー)のアパート群。こういったのが7棟建っている。

小学低学年の頃、それまでリンゴ畑だったところに林立したときは感動した。未来都市ができたと。友達が何人かできたが、彼らはワッペン付きのブレザーとベレー帽に革靴で、子供部屋は二段ベッド、トイレは水洗、シャワー付きバス。おやつは紅茶にケーキだ(ぼくらはほとんど食べたことがない)。パパ、ママと呼んで、パパは日曜日に庭でゴルフショットの練習(ゴム付きの玉を打っていた)。まさに高度成長期の象徴。

が、今や廃墟。これ、どう始末するのか。取り壊しだけでもかなり費用がかかる。日本列島のへそに当たる諏訪湖、諏訪は精密産業で栄えたが、今やシャッター街だらけ。岡谷の駅前には巨大なショッピングセンターの廃墟が残っている(昨年12月時点)。まあ、縄文時代は日本の中心だったそうだが(笑)

緊縮財政で「コンクリートからヒトへ」とか脳内空転している間に、インフラは着々と老築化していく。道路、橋、建物などが立ち腐れ状態になっているのだ。原発も同じだ。法律で耐用年数伸ばしても老朽化は避けられない。職人も技術継承もできず、技能が低下。だから事故が頻発している。特に原発の技術者の欠員は致命的だ。

極私的には、東京はともかくとして、日本列島中にこのような廃墟群が広がる光景が見えているのだが。群馬の温泉郷などもすでに廃墟群と化している。

マネーや国債&税の本質を理解し、マネー流通(=国債発行による財政投資)を増加させないと、この国はいずれジンバブエ化する。その時では遅いのだ。「国債は国民の預金で買う」とか刷り込みされ、このままだとザイセイハタンする~などとヒスる昭和枯れすすきオツムを今リニューアルしないと手遅れになるだろう。

この相関グラフを、「財政支出がGDPを決める」と読むと積極財政出動派、「GDPが財政支出を決める」と読むと緊縮財政派でそのために「構造改革が必要だ」となるわけ。人体で言えば、前者は「いっぱい食って運動すれば体力は増す」、後者は「内臓脂肪を減らせば食わずとも成長する」。どっちが正解か分かるよね。経済は武士は食わねど高楊枝ではないのだよ。ニッポンキ業界はすでにこれで廃墟化しているが。

化石オツムよ、複式簿記を勉強してから能書きを垂れてくれ。無知丸出しボクシたちもね。

次のグラフは国債残高の推移。明治時代より何倍になっているか、計算してみてほしい。

つまり国家が成り立ち、国富と国力(供給力)が維持されている限り、それをやや上回る率で国債を発行し、それを政府が使う(財政投資)することにより2%程度のデマンドプル型インフレを誘導し、経済成長できるのだ。これが人体で言えば、食料を供給し、運動することだ。現在は量的緩和(国債を日銀が買って、銀行の預金である当座預金を増やしている)だけで財政投資していない、すなわち食べるだけで運動していないために抹消まで血液が流れず、浮腫を起こしぶよぶよになっているわけ。

このあたりのマネーと国債の流れは次の図が分かりやすい。上の私の記事の要約とも言える。自分の目で追ってほしい(最低限の簿記の知識がいるが☞貸借対照表の見方)。

結果を見てほしい。民間の金融機関も非金融機関も預金が増えているであろう。これはコロナの10万円給付の際のマネーと国債の動きだが、財政投資[1]道路や橋やビルなどのインフラの建築のことでも同じことである。大事なことは、マネ―とは経済に参加する主体の誰かが負債を負うことにより生み出されるのだ。ゴールドが担保になっていると考えはすでに化石である[2]これだとゴールド保有量によりマネー発行は制限される

問題は最終的な負債を負うものは誰かだ。民間では返済能力(与信)に応じて制限があることは明らか、それを超えると破産する。お分かりだろう。そもそもあなたの分厚い財布の万札は日銀の負債として発行されている(現在110兆)。その負債を解消するとは? お分かりですよね、あなたの財布が軽くなることだ。貸借対照表(BS)のつながりを追ってみてほしい。

会社などの成長とは次の図のように、借入金を用いて商売し、資産を増やしていくことだ。民間ではこれが無制限にはできないが、政府と日銀は国家が存続する限り可能である。というより、マネーを供給して、国家が存続できるようにするのが政府の目標なのだ。

かくして30年間(特に97年以降)、緊縮財政を行ってきたわが国の衰退ぶりの現状をみてほしい。GDPとか言ってもピンとこなくても、このグラフは一番実感を以て感じられるであろう。

今必要なのはマインドのトランスフォームだ。マネーの本質、ひいては経済とは何か、これまでの先入観を捨てて、正確なモデルを再構築することだ。

一言でまとめれば、政府は経済のマトリックス(流れ)の外部変数であるということ。民間は内部変数である。<GDP増加→財政改善>の思考はこの水槽の中の水の流れをよくすればよいとするようなものだが、総水量は増えないのだ。<財政出動→GDP増加>の思考は水槽に水を注入すればおのずと流れが起き、総水量も増えるとする。経済ではどちらが先かは明らかである。

岸田は増税派、それは水槽から水を抜くこと。人体で言えば、脱血することだ。体内でいくら血流がよくなっても血を抜かれたらどうなるか小学生でもわかることだ。まあ、その元凶は財務省の権益にあるようだが、それはここでは省略。

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1 道路や橋やビルなどのインフラの建築のこと
2 これだとゴールド保有量によりマネー発行は制限される

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