本日の一冊
- 2009/07/18 17:47
- Category: 書籍
ここでも何度も紹介している外務省のラスプーチンこと、前科者の佐藤優氏の『神学部とは何か』(新教出版社)。これ、実はKoji君からのいただきもの。私の独断と偏見によりますと、神学なる「学問」は根本的にあまりオツムはよろしくないが(実際偏差値もかなり低いし、定員割れが当たり前)、やたらと血気にはやる高尚な方々がするものと思っているのだが、どうもこれはあながち外れていないようだ。
佐藤氏は言う:
神学がいかに「虚学」であるかを次の二点から説明したい。
一点目は「神学では論理的整合性が低い側が勝利する」ということ。
二点目は「神学論争は積み重ねられない」と言う神学の性質についてである。
それでも神学は「役に立つ」のだそうだ。それは、人は死ぬときに「自分の人生は何だったのか」と考えるが、神学はそのときへの備えになると。なるほど。ならば葬式仏教もそのときへの備えになるわけだ(笑)
で、彼の神学生時代の話から、神学のひととおりの知識を解説し、ドストエフスキーなどの文学や哲学と神学の関係、またニッポンキリスト教の牧師様が誕生する過程、そしてニッポンキリスト教の現状を分析し、彼は結論する。
日本のプロテスタント教会の10年、20年後を考えた場合、経営面から見る限り今のままではおそらくもたないだろう。教会も相当数淘汰されるだろうし、牧師も現在のような数は不必要になってくるだろう。
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現在、なぜキリスト教が日本で調子が良くないかということについて、率直に言おう。教会に行っても「救われた」と実感できなくなってしまっているキリスト教徒が増えているからだ。
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それから、現実に存在する教会の人間関係がわずらわしく感じられることが多い。
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先輩である魚木忠一は・・・「触発」というキーワードで、キリスト教を理解しようとしたのである。そして日本においては、「日本類型のキリスト教」が必要だと言う。「日本的キリスト教」ではだめなのである。日本基督教にならないといけないと言ったわけだ。・・・その伝統を私は継承していきたいと思っている。
なるほど、日本基督教ですか。すでにニッポンキリスト教はありますけどね。何度も言っていますが、再度私も率直に言いましょう、ニッポンキリスト教は一度徹底的に廃れる必要があるのです。神はその時を待っておられるのです。そもそも教会、というより、エクレシアは滅びることがありません。だから安心してキリスト教あるいはキリスト教会には廃れてもらってよいのです。
しかし本書を読むと、バルト神学だの、ブルトマン神学だのがいかにして誕生したかはよく分かるし、私の指摘するとおり、彼らの精神病理の上に構築されていることも証明される。そこで極私的結論は、キリスト教を理解するのでもなく、神学書なる個人的バイアスのかかったフィルターと認知のフレームを通して神、すなわち主イエスを理解するのでもなく、各自が直接に霊で主に触れ、御霊によって導かれつつ、それぞれで聖書を読みましょう。
それはね、栄養学の知識を得ても腹は満ちませんし、誰も自分に代わってご飯を食べてくれるわけでもありません。いのちを保つのは各自のオシゴトなのです。ねッ、ニッポンキリスト教のよい子のみなさん♪