幕屋の構造に見るエクレシアの建造のための四役-天の写したる聖書の正確な理解に立ち返ること-

ニッポンキ業界を20年以上にわたって観察してきたことで分かることは、アメリカやカンコクのいわゆる油注ぎの器を呼んできて聖会なるものを開催し、大勢の群衆を集めて、ワーシップと称する一種のショー空間において夢のあるメッセや種々のパフォーマンスを繰り広げて盛り上がる、これがどうも彼らの夢想している「リバイバル」と思われる。

しかしながらそのメッセは極めて薄っぺらいものであり、聖書真理の正確な理解や深い意味を説いているものとは、残念ながら言えないようだ。そもそも”poimen(ポイメン)”を「牧」としており、イエシュアが

だが、あなたがたは『先生』と呼ばれてはならない。あなたがたの師は一人だけで、あとは皆兄弟なのだ。-Matt 23:8

と明示的諫めているにも関わらず、御言葉を確信犯的に無視している状況だ。しかもそのポイメンはエペソ4章11節にあるエクレシアを建て上げるための機能(役割)の最も最後である[1]ニッポンキ業界では牧師が頂点に立ち、伝道師はその見習いといった立場にあるが、これは聖書を無視したニッポンキ業界の因習に他ならない。

さて、ここで聖書を正確に読んでほしい[2] … Continue reading

ある人を使徒、ある人を預言者、ある人を伝道者、ある人を牧者/教える者-Eph 4:11[3]この「ある人」は類型を意味する。

とあるとおり、これは四役である(∵ある人×4回)。牧することと教えることの機能は重なっている同一の機能である[4]英訳では”some pastors and teachers”、接続詞は”and”、「A and … Continue reading。ちなみにキリスト教という宗教システムに組み込まれると、ポイメンが牧となり、伝道者は時に伝道師ともなるが、預言者は預言師とはまだ言わない。そこで彼らは「五役の回復」とかのスローガンの下、いずれキリスト教に組み込まれると預言師も出現するのかもしれない。

さて、YHWHエロヒムはモーセに幕屋の構造図を啓示されたが、それは天の実体の正確な写しであった:

この祭司たちは、天にあるものの写しであり影であるものに仕えており、そのことは、モーセが幕屋を建てようとしたときに、お告げを受けたとおりです。神は、「見よ、山で示された型どおりに、すべてのものを作れ」と言われたのです。-Heb 8:5

このように、天にあるものの写しは、これらのものによって清められねばならないのですが、天にあるもの自体は、これらよりもまさったいけにえによって、清められねばなりません。
なぜならキリストは、まことのものの写しにすぎない、人間の手で造られた聖所にではなく、天そのものに入り、今やわたしたちのために神の御前に現れてくださったからです。-Heb 9:23-24

すなわち旧約は天の実体(サブスタンス)の模型/影であり、幕屋の構造を見るときに天の実体を絵本として、ヴィジュアルに理解することができる。

いったい、律法には、やがて来る良いことのがあるばかりで、そのものの実体はありません。-Heb 10:1

さて、そこで幕屋の構造を見てみよう(☞幕屋を覆う四枚の幕の秘密@YouTube)。

幕屋の壁板をアカシヤ材で作って立てなさい。・・・幕屋の壁板は南側に二十枚並べ、二十枚の壁板の下にはめるために銀の台座四十個を作る。すなわち、一枚の板の下に作る二つのほぞに合うように二個の台座を、それぞれの壁板の下に置く。
幕屋の他の側面、すなわち北側にも二十枚の壁板を並べ、四十個の銀の台座を作り、壁板一枚につき二個の割りで、それぞれの壁板の下に置く。
次に、アカシヤ材で横木を作りなさい。幕屋の一方の側の壁板に五本、もう一方の側の壁板に五本、また西側、つまり後ろ側の壁板に五本用いる。
壁板の中央の高さに位置する横木は、壁板の端から端まで渡す。-Exo 26:16-28

お分かりでしょうか? 可視的な棒が四本、不可視的な棒一本が立て板を貫く構造。幕屋の立て板がひとつに結合されるのは四本の可視的横棒と一本の不可視的横棒による。前者だけではもちろんひとつにはならないことは明らか。不可視的横棒はすべての立て板を貫いている、その実体は何か? 分かりますね?

新約においては幕屋の実体はエクレシアであり、エクレシアをひとつに建て上げるためのこの可視的四本の棒が何を意味しているかは明らかでしょう。すなわち、エペソ書の四役。だが、これだけでは立て板がひとつにはならない。それはすべて貫く不可視的な一本によるのだ。

平和のきずなで結ばれて、聖霊の中でひとつを守り続けるように努めなさい。-Eph 4:3

ここは通常、「聖霊による一致」と訳されるが、原文は「聖霊の中/うち(en)でのひとつ(henotēs)」である。”henotēs”は”heis”から派生しており、それは英語で言えば”oneness”である。立て板はすべてアカシア材であり[5] … Continue reading、それは同一の種類であり、同じ属性と性質を有している。ポイントはいろいろな木材を混ぜて「一致」させるのではないこと。同一の種類であり、同じ属性と性質を有するゆえに、ひとつ(oneness)である[6] … Continue reading

ここで種類とは、ギリシャ語では”genos”、われわれは新創造であり、エロヒムのいのち(Zoe)を分与(インパーテイション)された新しい人類種である。私は著書『神の新創造』において「ネオ・ホモサピエンス」と称している。

その新しい種族である一人ひとりを支え、建たせる役割が可視的四本の棒で象徴されるエペソ書の四役であり、本質的にわたしたちを新しい種族としてひとつにまとめるのが不可視的一本の棒で象徴される聖霊である。

「リバイバル音頭」や「一致~、イッチ~、いっち~」とチャントする前に、まずは聖書の正確な理解に立ち返る必要がある。モーセに命じられた通り、天の実体(サブスタンス)の正確な写しが地上に出現する(=エビデンス)ことこそ真の霊的覚醒である。

いま、信(フェイス)とは願われる実体(サブスタンス)であり、まだ見ていない事実(プラグマ)の現出(エビデンス)である。-Heb 11:1[7]プラグマはすでに成し遂げられている事実のことである(Strong)。天においては天地創世の時以来、神のわざは完成しているのである(Heb 4:3)。

かくして御子イエスは地上において

御子は神の栄光の輝きであり、神の本質(ヒュポスタシス)の真の姿(イメージ)であって、その力ある言葉をもって万物を保っておられる。-Heb 1:3

とあるとおり、聖霊から生まれ、聖霊に満たされて、ご自身のうちにいます不可視な父なる神を五感の領域に100%現出、すなわち可視化されたお方である。ゆえにイエシュアは、わたしを見た者は父を見たと証言されたのである(John 14:9)。

そのキリスト・イエスは最後のアダム(=旧創造の最後)として死なれ、復活し、今やいのちを与える霊となられ(1Cor 15:45)、聖霊にあって父と共に私たちのうちに住まわれ(John 14:23)[8]聖霊派で言われるように、地上は聖霊様だけ、私たちのうちにも聖霊だけが住まわれるのではない☞「アンドリュー・マーレーの聖霊論」。第二の人、新人類(ニュークリーチャー)の初穂(1Cor 15:20)として私たちエクレシアを通して生き出てくださる(John 14:19)。ゆえに、わたしたちを見た者はキリストを見たのであると、エクレシアは証言すべきなのだ。

モーセが天の実体を幕屋として正確に地上に再現したように、エクレシアも天の実体を地上において表出するのである。これこそが真のリバイバル、すなわち霊的生命の覚醒に他ならないのである。

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1 ニッポンキ業界では牧師が頂点に立ち、伝道師はその見習いといった立場にあるが、これは聖書を無視したニッポンキ業界の因習に他ならない。
2 こんな細かいことこだわることなく、一致して歩みましょうといった発言はなしでよろしく。主はモーセに幕屋を正確に作れと命じられたのだ。イエシュアも小さなことに忠実ではない者は・・・と言われた次第。
3 この「ある人」は類型を意味する。
4 英訳では”some pastors and teachers”、接続詞は”and”、「A and B」はAとBが共に真の時のみに真となる命題である。論理学的にも別々ではないのだ。「五役」なる解釈は、一度、キリスト教で刷り込まれると、御言葉を通り越してその刷り込みが伝統、習慣として固定化することの実例である。
5 アカシア材は契約の箱の材質でもあり、それはキリストを象徴するが、水のないところでも育ち頑強な材であり、それは特に主の人間性の型である。それを覆う金はもちろん主の神性を象徴する。なお、立て板も金でおおわれていることに注意されたい。
6 いわゆる人間の歴史の中で構成してきたナントカ教派やカントカ教団が誓約によって「一致する」などは小賢しい人間の業に過ぎないことは論を待たないであろう。
7 プラグマはすでに成し遂げられている事実のことである(Strong)。天においては天地創世の時以来、神のわざは完成しているのである(Heb 4:3)。
8 聖霊派で言われるように、地上は聖霊様だけ、私たちのうちにも聖霊だけが住まわれるのではない☞「アンドリュー・マーレーの聖霊論」。

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